【連載記事】3.11を覚えておく雑記帳。④
頭の真上にある窓ガラスにぞっとして、慌ててマフラーで頭を覆って会社まで急いだ。事務所のドアを開けると、足の踏み場がないほど床に物が散乱していた。書類、事務機器、粉々になった花瓶の破片。呆然としつつ、部屋には誰もいない事に気付いた。
すでに携帯はどこにも繋がらず、誰とも連絡が取れないのでビルの入口でこれからどうするか考えていた。地震情報が流れるラジオを大音量で流しながら歩いていた男性を見かけ、親切だなぁと感じた。
しばらくして、上司や同僚がビルに戻ってきて、ホッとした。みんな、貴重品も持たずに逃げてしまい一度戻ってきたらしい。それぞれが身支度をした後、近くの公園に避難した。すでに多くの人たちが集まっていて、寒さに耐えつつ状況が落ち着くのを待っていた。(余震らしき揺れが続いていた気がする。)その後、雪がひどくなり人が散りはじめた。私たちも帰宅することにした。
怖いね、怖いねと言い合いながら、同僚と仙台駅まで歩いた。いよいよ吹雪いてきて、歩道は人であふれかえっていた。