【おでかけトヴォ™】誇り高き募金箱の話
2020年9月5日(土)朝、荷物が届いた。中には古びて壊れかけた募金箱が入っていた。懐かしい思いでいっぱいになった。この誇り高き募金箱の話をしてみようと思う。
1つの募金箱が全国を旅するという「おでかけトヴォ」が始まったのは、2011年12月6日、東京都のHUGESTさんからだった。そこから、旅行鞄を持ったデザインの缶バッチと1つの募金箱が全国を旅して回った。
記事:トヴォ、東京都足立区HUGESTさまに、はじめてのおでかけ中。
tovoをはじめたのは2011年6月。こじんまりとコツコツと長く続けるつもりで、1ヶ月1万円の寄付を10年間続けて100万円の寄付を目標とした。しかし、そんな僕の思惑を大きく超えて、2011年秋には全国各地からの支援を頂けるようになった。そのうちに、うちでも缶バッチを販売したいという方が県外にもちょこちょこ出てきはじめた。
「青森から東日本大震災孤児・遺児を支援しよう」をキャッチコピーにして、りんごを模したデザインで展開したtovoの缶バッチが、なぜか県外からお問い合わせ頂き、それを販売したいと言う。その頃の僕はキャッチコピーの「青森から」の部分がとても重要で、変なプライドを持ち、とてもこだわっていたように思う。それ故に、県外からのお問い合わせは嬉しくもあり、また同時に戸惑いがあった。それじゃ「青森から」じゃなくなるじゃないか。
そこで、青森から、あくまでも「おでかけしている」というスタイルで県外に出すことにして始めたのが「おでかけトヴォ」だった。1つの募金箱と缶バッチを数ヶ月、1つのお店に置いて頂き、そこが終わると、また次の店へという感じで旅をしていったわけだ。
1つの募金箱が、東京→東京→大阪→札幌→名古屋→名古屋→名古屋→東京→山梨→佐賀県→岡山県→福島県→岐阜県→山口県→島根県と、2016年頃まで続いていった。
1つの募金箱が、という意味で、つまり、上の写真の募金箱が旅したのは、僕の記録に残っているのは以下のような感じ。(実際は、「おでかけトヴォ」と謳いながら、募金箱を複数用意しなければならなくなり、実際はこれよりも多いし、企画自体は2019年まで続いている。)
▶2011年12月5日〜2012年1月31日
東京都足立区HUGESTさま
▶2012年2月1日〜2012年3月31日
東京都葛飾区真頭玩具さま
▶2012年5月18日〜2012年7月31日
大阪市POPSODAさま
▶2012年8月18日〜10月31日
北海道札幌市YOYO SPACE ASさま
▶2012年12月6日〜2013年3月31日
愛知県名古屋市エロスティカ名古屋店(〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須3-39-36 1F)さま
▶2013年1月22日~1月31日
GROK(愛知県名古屋市中区橋1丁目6-13 畑田ビル1F&2F)
▶2013年2月2日〜2月17日
MonkeyFlip Rosso(愛知県名古屋市中区大須3-36-10)
▶2013年3月9日〜31日
『東日本大震災復興支援「つくることが生きること」東京展』@アーツ千代田 3331 内ショップ「3331 CUBE shop&gallery」
▶2013年3月11日〜3月31日
トップインドアステージ亀戸(東京都江東区亀戸6-31-1 サンストリート内)
▶2013年4月21日(日)
山梨県南部町「第26回南部町たけのこまつり」@山梨県南部町役場本庁舎前駐車場
▶2013年7月13日〜10月31日
小さなkonomi(佐賀県武雄市北方町大字志久1943)
▶2013年10月19日
岡山県岡山市『てづくり市 Sorairo』@「ブックランドあきば 高島店前(岡山県岡山市中区国府市場60-4)」
▶2013年12月1日〜2014年3月31日
福島県会津若松市
zakka market モカフルー(福島県会津若松市城西町5-9)
▶2014年6月12日〜2014年9月30日
岐阜県岐阜市
漢方の野崎薬局(岐阜県岐阜市芥見大般若2-4-3)
▶2015年5月1日〜2015年6月30日
山口県防府市
おおすみ会館 こくが(山口県防府市国衙3-1-4)
▶2015年7月1日〜2015年8月31日
島根県益田市
和菓子処 三松堂(島根県鹿足郡津和野町森村ハ19-5)
そうしているうちに、もう「おでかけ」してる場合じゃないくらい、tovoは全国に広がっていった。全国でご協力、ご支援頂いているお店や人がそのままtovoの家になるという感じだろうか。その場所に根付いて、そこで僕の予想しなかった展開をしていった。そのあたりから、「おでかけトヴォ」の意味も失っていったし、僕自身、tovo自体も様々な企画展開がスタートして、「おでかけトヴォ」を意識しなくなっていった。
その募金箱が、今日、久しぶりに青森に帰還した。世界中に募金箱は無数にあるだろうけど、このくらい誇り高き募金箱は存在するだろうか。
その募金箱は、否応無しに当時の僕の気持ちを思い出させたし、「おでかけトヴォ」で協力してくれた方、支援してくれた方があって、はじめて今のtovoがあることに深く感謝した。関わってくれたたくさんの人の想いは決して忘れない。みなさん、ありがとう。おかえり、募金箱。