今年も、 トヴォから3人目の あしなが育英会 ファシリテーターが 誕生しました。
2016年より震災や津波で親を亡くした子どもたちの心に寄り添うボランティア「あしなが育英会ファシリテーター」を、青森に1年に1人ずつ増やしていこうと考え「青森にあしなが育英会ファシリテーターをふやしてくプロジェクト」をはじめました。
2016年、坂本小雪さんがtovoから初の「あしなが育英会ファシリテーター」となりました。昨年12月、工藤千穂さんがtovoから2人目のあしなが育英会ファシリテーターとなりました。そして、今年、2018年11月、川畑富美子さんがファシリテーター養成講座を受講し、ついに、tovoから3人目のあしなが育英会ファシリテーターが誕生しました。今回は川畑富美子さんからのレポートです。
あしなが育英会 ファシリテーター養成講座レポート (川畑富美子)
2018年11月3日(土)〜4日(日)の2日間、盛岡で開催された「ファシリテーター妖精講座」もとい「養成講座」を受けてきました。
「毎年、1人ずつ青森のファシリテーターを増やしたい。」tovo代表からその思いは聞いていましたが「親を亡くした子供さんと接すること」って学問的な知識も実践経験もない自分には少々荷が重すぎる…正直そう思っていて、今回もお声かけ頂いた最初は、施設の勤務経験のある長女に講座参加者募集の話をして娘が参加予定でした。が、締め切り間際に都合が悪くなり、せっかくのチャンス、ド素人の私でも何かの役にたつのなら…と手を挙げて参加した次第です。
なにしろ、「ファシリテーター」「グリーフケア」…横文字が苦手で言葉の意味すらなんとなーく、ざっくりした雰囲気しかわかっていませんでしたからめちゃめちゃ不安で、でも、居ないよりはマシだろうし、やる気と根性さえあればなんとかなる!そう思って一番乗りで会場へ乗り込み、初対面のスタッフさんにも続々と到着された参加者さんにも 明るく元気にご挨拶!親しくならなくちゃ!そんな私の力み具合をスタッフさん方はちゃーんと見透かして、気を配ってくださったように思います。
この時の参加者は、大学生さんが多かったですが、下は18歳から上は60代?まで年齢層も幅広く、東北が多いけど函館や東京からもいらっしゃいました。あしなが育英会の奨学金を受けている方も多かったようです。
1日目、まずは初対面の参加者同士がお互いを知り、打ち解けるため自分の呼ばれたいニックネームで自己紹介。そして、大事な基本ルール「他人を大事にする、そのためには自分のことも大事にする」、「言いたくないことはパスしていい」、「自分の経験と他人の経験をごっちゃにしない」などを説明されます。
印象に残っているのは、初対面の緊張感漂う空気のなか、打ち解けるきっかけのために 短い時間のなかでなるべく多くの人に、Q&Aを繰り返しBINGOを完成させていくゲームや、2日間のプログラムの中で 何度も丁寧に今の自分の状態は?(自己確認)どう感じているか?を繰り返し順繰りに話していくなかで、自分のなかで変化していく気持ち、本当の自分の気持ちを言葉にして人へ伝える実践でした。
「自分の状態を話す」これが結構難しい。いい子を演じる必要はない。ホントの自分のことを解ってほしいという気持ちと、どこまで自分をさらけ出せばいいのか、出しても大丈夫なのか?自分がつらくなるからこの話は今は言いたくないのにな。モヤモヤとしたその不安はきっと、これから相対する子供たちの気持ちでもあって。
大事な人を亡くす、という共通項はあっても、その経験に対する反応は一人ひとり様々に違っていて、ファシリテーターはその子の話を勝手に先走って解釈したり、言葉を置き換えてしまわないように、と何度も繰り返し教わりました。
これがね…、日常会話では沈黙しないよう、仲良くその場が盛り上がるよう、話を横取りして広げてしまいがちな自分にはかなり難しいことで(ここへ来る前に考えてた方向とはだいぶ違うな…)脳内に流れた歌声「違う♪違う♪そうじゃ そうじゃなーい」by鈴木雅之
相手の話した言葉を繰り返す・表情やエネルギーを揃えていく「リフレクション」というスキル。鏡のように映し出すことで、相手に自身の状態を客観的に気づかせることができると学び、子ども役とファシリテーター役を交互に実践した時、新鮮な感覚に陥りました。自分が発した言葉を人の口から聞くと(日常生活ではまず、未経験の人が殆ど思いますが)毛糸がすっとほぐれたような、思考がすっきり明確になったことを自覚できたのです。沈黙には、そのまま沈黙を。ただし、受容の沈黙で。
これは言ってはいけない例として教わったのが「解るよ」「そのうち、楽になるよ」「あなたはまだマシ」ああ…知人友人にこれまで散々、言いまくってきたセリフ…。
ファシリテーター~支援する人~。自分なりに思ったのは一人一人の凸凹にふんわり優しく寄り添う存在。それは柔らかい、暖かい毛布のようなものになることなのかなぁと思いました。
2日間の体験は、とても新鮮かつ密度の濃い時間で、肩に入っていた力も抜けて自分自身が癒された感覚もあり、終わる頃にみんなのことが大好きになっていました。講座終了後(きっとまた、どこかの会場でこの方たちと会いたい)強くそう思いました。
まだファシリテーターの若葉マーク、ペーペーのひよこではありますが、これから子どもたちのなかに寄り添っていけるよう、歩み始めたいと思います。もし、この活動に興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら…ごいっしょにAlways with youしませんか?