「アマビエを届ける。」⑪〜弘前市「クッキーズ」様
「アマビエを届ける。」の11回目は、弘前市「クッキーズ」さんです。
クッキーズさんには、フリーペーパーに登場頂いたこともありますし、イベント出店時にはtovoのことを紹介してくださったり、相談にのっていただいたり、食事をしたりと普段から仲良くさせて頂いております。クッキーズのお2人にも、しっかり疫病退散のアマビエをお届けしました。
クッキーズ 藤田光治・藤田美記子 インタビュー
(インタビュー日:2020年5月17日(日)・インタビュア:小山田和正)
今はどんな感じなんですか?
光治「忙しいってほどではないですけど、ありがたいことにネットショップでの販売やオーダーなどを頂いてます。
もともとネットショップはあって、主にイベント出店のない時期に利用をしていましたが、今はネットショップの方に多く商品を出しています。」
美記子「前からネットショップをやってたから良かったんですけど、今から始めてもね、なかなか伝わらないし、利用してもらうまでにはかなり時間がかかりますから。コツコツとネットショップをやっていて良かったなと思います。」
卸しているお店もけっこうありましたよね?
光治「はい。あるんですけど、今回の緊急事態宣言を受けて、今、お店が休んでいたりするので、結構先の納品になると思います。
あと、全国いろいろなところのお客さんが気を使ってくれて、たぶんしんどいんだろうなと思ってくれていると思うんですけど、オーダーしてもいいですか?ってお仕事を頂いていたりします。
そうそう、先日も札幌の雑貨屋さんで、委託販売はできるよって言われてお願いしたところもありますね。
それから、6月1日からプレオープンする弘前市の新しい美術館『弘前れんが倉庫美術館』にショップがあって、津軽の作家さんのコーナーがあるんですよ。YOAKEnoAKARIさんとか、のん窯さんとかと一緒にそこに置いて頂いています。」
逆に取り扱いのお店が増えている感じ?
光治「どうでしょうね。でも、1年くらい連絡がなかったお店の方が、商品を送ってくれたら販売しますよとか言ってくれたりしています。みんな心配してくれているのかもしれませんね。」
クッキーズさんは1年を通して毎週のようにどこかのイベントに出店していましたよね。
光治「そうですね。9月くらいまではイベント出店が決まっていましたが、今のところイベントは全て中止になっています。
秋のイベントも早い時点で中止になってきていますね。あと、5月予定のイベントが秋になったりとかも。
この先もどうなるか分からないですけど、10月くらいのイベントはまだ募集をしているところはあります。イベント出店の応募しておかないと、いざイベント開催となっても出店できないので、とりあえず応募はして、決まったら出店料も振り込みしています。
中止になれば、出店料が戻ってこないイベントもありますし、経費分の何%か引かれて戻ってきたり、良心的なところだと全額返金というのもありました。」
イベントがないとキツイですか?
光治「そうですね。イベントがどんどんなくなった時はどうしようと思いましたけどね。ネット販売が順調なのでなんとかなっていて、今はまだいいですけど、長引くときついですね。
たぶんイベントは8月まではダメだろうなって思っています。9月くらいから動いてくれたら助かるなとは思いますが、どうでしょうね。
ただ、1年通して全国各地のイベントに出店して、実際に会って、話をして、コツコツと育んできたお客さんやお店との関係性に、今、救われています。ほんとうにお客さんには感謝しています。イベントがないと、今のネット販売には繋がらなかったと思います。
こけしって生活に必要ないものじゃないですか。今、こんな状況の中、ネットで注文してくれて、それが家に届いて、それで笑顔になったとメッセージをくれる方もいるんですよ。」
そのネットショップを使って、美記子さんのマスクも販売し始めたんですよね?
美記子「4月に入ってからですかね。マスクを作ってくれるように頼まれたのがきっかけです。せっかく生地を仕入れたんだからと残った布などを使って販売しはじめました。
買ってくれたのは、やっぱり今までイベントで会ったり、ウェブショップを利用してくれてた人が多かったと思います。そこからだんだん初めてのお客さんに広がっていった感じです。
買ってくれた方が、頑張ってください!とか、また会える日まで!とか、わざわざメッセージをくれたのが嬉しかったです。それも今までの積み重ねの関係に助けられている感じがしますね。」
給付金に関しては?
光治「『持続化給付金』ですね。5月1日から受付開始だったんですけど、朝から準備して、やっとネットに繋がって。なんかうちは恵まれていて、5月8日から給付開始だったんですけど、その日のうちに入金がありました。それはネット環境の整備なんかに使おうと考えています。
そうそう、ドイツの政府が『アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なもの』と位置付けて大規模に支援をしていて、僕はクリエイターとかアーティストとかそんな大それたものではないですけど、その言葉を聞いてありがたいなぁ、すごいなぁと思っていました。」
今、不安なことってありますか?
光治「今までは定期的にイベントがあって、それに合わせて作る感じだったんですけど、今はなかなかメリハリも作れずにいるんです。だんだんやる気が失せていた部分もあったんですけど、ネットで買ってくれる方からの応援などで頑張れています。みんな気にしてくれてるんだなと思う。
モノの良し悪しも多少あるんでしょうけど、作り手の人柄ってかなり大きいと思うんです。もし、みんなが人柄で買って応援してくれてるんであれば、それは絶対に裏切れないですよね。今までよりは動きは遅いですけど、毎日作るようにしていますね。」
やっぱり、このままの状態が続いていくのはキツイ?
光治「そうですねー。なんとか来年の3月くらいまでだったら頑張れると思うんですけどね。できれば早く収束して欲しいなぁ。そうなってもらわないと困るって気持ちの方が強いですけど。
いつか歳を取ったら、ネット販売とかで、自分が動かなくても生活できるようになったらいいなと思っていましたが、それがずいぶん早くきちゃってる感じです。」
美記子「イベントに行って、作家さんたちやお客さんたちと話をしたり、ご飯を食べたりして、それがある意味充電だったし、また息抜きみたいになっているから、金銭面よりも精神的なことがキツくなってくると思うんです。煮詰まってきちゃうんですよね。お金は何とかなるとしても、だんだん内向きになっていくのは辛いですね。」
光治「ただ、今回をきっかけに、新しいことを始めるのには良い機会だと思ってます。時間もありますから。今はイラストレーターのソフトの勉強をしたり、あと、腹筋を6つに割る為に頑張ってますね(笑)」
(終)