「アマビエを届ける。」⑫〜青森市「もぐらや」様
「アマビエを届ける。」の12回目は、青森市「もぐらや」さんです。
tovoグッズをお店で紹介してくれている青森市のもぐらや代表の熊谷くんは、家族でtovoペーパーへも登場してくれています。目印の赤提灯が見当たりませんが、もぐらやさんにも疫病退散のアマビエをお届けしようと、早速、縄暖簾を潜ってカウンターに陣取ろうと思います。
もぐらや 熊谷 暁人 インタビュー
(インタビュー日:2020年5月18日(月)・インタビュア:なるみしう)
暁人「いらっしゃいませ」
赤提灯はどうしたの?
暁人「風で飛ばされちゃいました。」
あらま。それはそれは…。まずは…麦ホ(麦とホップ。¥300)くださいな。
新型コロナウイルスの流行で、呑みに出る方も、お酒を提供するお店の方も大変な状況だとは思うんだけど、もぐらやも何か影響あったかい?
暁人「そうっすね…店は3月頃から目に見えてお客さん少なくなってましたね。ただでも冬の間店の売り上げが下がっていて、3月くらいから良くなってきてもらわなければならないのに…本当に痛手でしたよ。
冬の間にいくつかいただいていた音楽とかナレーションの仕事の入金がちょうどそのタイミングであったので、その月の給料はなんとか支払えましたが、先は全く見えない状態でした。4月分の弟(もぐらやは熊谷くんと熊谷家三男坊との2人で営業)の給料は、休業給付金がないと払えない感じでしたし、持続化給付金もあてにしています。」
そっか…。そこまでシビアな影響が出ていたんだね…。テイクアウト始めたよね。うちもよく利用させてもらってるけど、評判良いんじゃない?¥1,000セットとか(もぐらや人気メニュー1,300円相当の詰め合わせセット。組み合わせはランダムで、毎回楽しい)。
暁人「4月に入るともっとお客さんは減ってきてたんですが、その代わり持ち帰り希望のお客さんが増えてきていました。ですが、店に吞みに来てくれるお客さんもまだゼロではないので、店にお客さんがいる時に持ち帰りの注文が何件か入って手が回らない、ということも何度かあって、悩みながら営業していましたね。」
テイクアウトは「家でもぐらやが楽しめる!」って、楽しく感じる面もあるんだけど、やっぱりもぐらやで呑りたいよなって思ってしまう面もあったよ。よく出るメニューってのもあるかい?
あ、古典(古典レモンサワー/¥400)ちょうだい。
暁人「そうっすね…メニューは、唐揚げや、煮干し焼きそばなどの、持ち帰りに向いたものが良く出るようになった印象です。」
お店のお客さんにも何か変化は見られている?
暁人「お客さんは、団体はもうゼロですね。1人か2人って感じです。みなさん注意してるんだと思います。
今後は、まだしばらくは居酒屋でみんなでワイワイ、みたいにはならないと思いますが、店としてできる対策を出来る限りやって、お客さんに安心して店でお酒を飲んでもらえるように努力したいと思います。」
テイクアウトもそうだけど、1テーブル3人までとか、カウンターは間を空けて座るとか、入り口で消毒をお願いしてからの入店とか(消毒ボトルのイラストは、絵描きの熊谷家次男作)、もぐらやとして対策をとっていることもあり、数は少ないかも知れないけど、お客さんは安心して利用できているんでないかな。
そういえば、もぐらやはお店の中でのイベントや外部のイベントへの参加も活発だったけど、その辺も影響あった?
あと…ポテサラ。ゴボウとセリ入りのね(¥300)。
暁人「ライブイベント等、イベントができなくなったことも痛かったですね。
曽我部さん(曽我部恵一:そかべ けいいち。サニーデイ・サービスのヴォーカリスト/ギタリスト)のレーベル、ROSE RECORDS所属のアーティストが春〜夏頃に来てくれる予定だったんですが、それも中止になっちゃいました。冬から相談してたんですがね…残念です。
7月の最終土日に開催されていた夏の工芸学校も、今年は中止になりましたし(もぐらやとしての出店の他、バンド『うきぐも』でも参加していた)。」
熊谷暁人個人として、この新型コロナが影響を及ぼしている世界に対し、何か思うことはあった?
暁人「学校がずっと休みになったので、子供と過ごす時間が多くなって貴重な時間でした。店で持ち帰りメニューの仕込みをする合間に子供の宿題を見たりとか。
SNSで「うたつなぎ」という企画が、仲の良いバンドのザ・キャプテンズから回ってきて、1曲歌いました(Twitterで熊谷暁人を検索)。結構色々な意見をもらって、もっと歌いたい!となりましたね。うきぐもでも、デモを送り合って新しい歌を作ろうとしています。家にいる時間が増えて、そういうこともできるようになりましたね。
テレビからも熊谷くんの声が聞こえてくることがあるけど、これからもどんどん歌い続けて欲しいと思うよ。
赤(サッポロラガー。通称赤星/¥600)ある? 赤と磯部(沼田商店のちくわを使用した磯辺揚げ。激旨/¥300)くださいな。
実家には帰れている?
暁人「秋田の実家にはしばらく帰ってませんね。毎年実家でタイヤ交換してもらってたので、未だに冬タイヤです。両親に孫の顔を見せに行きたいのですが、なかなか今は難しいですね。」
今回は「アマビエを届ける。」ってことでtovoのアマビエ様をお連れしたのだけど、もぐらやにも立派なアマビエ様がいらっしゃるよね?
暁人「もぐらやのアマビエは、5歳の息子が描いたものなのですが、3月の中頃に友部正人さんのライブをうちでやった時に、頼まれて描かせたものです。欲しいと言ってくれた人がいたので、業者に発注して印刷し、額に入れました(息子アマビエ・額入り/¥600。ちなみに、娘作のアマビエ様はらせん堂さんにいるとか)。
そういえば、この時のライブが現時点で最後のライブになってます。この時もお客さんは普段の半分くらい。入り口で手を消毒してもらって、ギリギリやった感じでした。
疫病よけの伝説があるアマビエと、常連さんからもぐらや10周年の祝いで貰った小豆洗い(東北の小豆洗いは、貧しい農家に山のような赤飯をくれたナイス怪)、以前もぐらやで働いていた男がいる神社の商売繁盛熊手で、なんとかこの荒波を乗り越えようと思います。
あ!もちろん、tovoのアマビエ瓶もお店に飾らせて頂きますよ!」
(終)