「アマビエを届ける。」①〜五所川原市「陶工房ゆきふらし」様
「アマビエを届ける。」の1回目は、いつもイベント時にtovoのチャリティグッズを持って出店してくれている五所川原市の陶工房ゆきふらしさんです。
陶工房ゆきふらし 猿田壮也・千帆 インタビュー
(インタビュー日:2020年5月7日(木)・インタビュア:小山田和正)
まず、新型コロナウイルスによる影響を受けて、まぁ、誰も将来のことは予想できないと思うんですが、とりあえず予想を立てないと前に進めないってことがあると思うんです。現時点で、どういう予想をされていますか?
壮也「まぁ、でも、しばらくダメですよねぇ。オリンピックは無理だなぁとは思っています。益子の陶器市のような50万人規模とかになると、よっぽどじゃないと開催は無理じゃないかなぁって諦めてるんです。うちは益子の陶器市が年間の収入の半分くらいは占めてるんです。陶器市では、現金収入と、お店の仕入れがあって、お店の方が仕入れにきてくれるんですが、それが大きいんですよね。でも、今回、その益子の陶器市がなくなったことで、割と直接電話で注文をしてくれてて、今のところその電話の注文でなんとかなっている感じです。でも、それだけじゃ全然だから。」
今回のことについて、陶器関係の友達とか仲間とかと話をしたりします?
壮也「そうですね、連絡しあってますね。益子春の陶器市がなくなったので、代わりに4月29日〜5月20日までウェブ陶器市っていうのがはじまってるんですよ。わりとニュースとかになって話題にはなってますね。ただ、益子周辺の地元の人は別として、地方だと送料などもかかってくるし、何かと面倒なことが多いように思います。一方で益子の陶器市という伝統の灯は消さないというのは大事なことだと思います。あとは、個人でウェブで陶器市を始めている方もいますね。そう、1人テレフォンショッピングみたいのをやってる方もいます。自分の庭に陶器を並べて、SNSの動画で自ら商品を紹介していくみたいな。みんなそれぞれ考えて頑張ってるなぁと思います。」
千帆「トークのうまい人で、その人と話したいっていうファンも多いので、その方には合っているスタイルなんだろうと思います。うちはダメだなぁ(笑)」
壮也「ゆきふらしは、五所川原市金木町の太宰屋さんがウェブショップ(陶工房ゆきふらしウェブショップ@太宰屋 by 太宰治疎開の家)を立ち上げてくれて、今はそこでも買えるようになっています。」
千帆「金木町も観光の方がすっかり減ってしまい、太宰屋さんもかなり厳しい状態のようですね。」
壮也「最近は、その太宰屋さんと一緒に畑をやろうかと思ってますよ。これからは自給自足だって。自分で食えるようにならなきゃダメだって、種を買い込んだりしてますね(笑)」
千帆「近所の方から苗を頂いたりして(笑) そう、工房ポレポレ(C-POINT主催・クラフト小径主催)の安田さんたちもね、今年はちゃんと畑やろうって本格的に始めてて、なんとか生きていようね!って話してました。残念ながら、今年から始まる予定だったC-POINTも延期になってしまったんだけど、安田さんたちは作家さんたちのことをとても心配していて、なんとか来年につなげようと頑張っていらっしゃいますね。」
壮也「そうそう、C-POINTの今後をどうするか?っていう話をZOOMでやってたんですけど、ああいうのどうも苦手なんですよね(笑) この声は聞こえてるんだろうか?とか思っちゃう(笑)」
壮也「だいたい陶器をやっている人は、知っている範囲だとほとんどはイベントで食ってるから、イベントに出て、お店とつながったり、お客さんとつながったりしているはずだから、それが全くないと厳しいですよね。」
そのイベントなんですが、今年1年はイベントがないという予想?
壮也「そうですね。今年はないだろうなという予想で動いています。でも、出店依頼を頂いたら、その申込はしていますね。たとえば、秋にある仙台のイベントなんかは選考があるから、落ちるかもしれなけど。」
毎年一番最後のイベントってどのイベントでしたっけ?
壮也「11月の益子の陶器市ですね。それ終わってから、五所川原市のふゆめ堂での展示会という流れですね。」
千帆「今建てている家ができたら、ここで、なんかちょっとイベントみたいのをやりたいなぁとは思っていますね。(現在、猿田さんご自身で家を建てている最中)」
今までイベントで成り立っていたものが、たとえば1年間それがないって言った時に、そこで考え方変えて行こうっていうのはありました?
千帆「まだそこまで考えられないかなぁ。展示会自体もやりずらい雰囲気があるから、展示会は事前に予約を取って、何名さまずつとか。」
壮也「ずっと自分の家を建てていて、いろんなプロの人が助言してくれて、今の状態まできてるでしょ。そうすると、もし仕事ないんだったらバイトしに来ればいいよって言ってくれたりするんですよね(笑)雨どいとかつけれる?とか聞かれたり(笑)」
千帆「とりあえず、今はなんとかなってるけど、そういうのもだんだん受けていかないといけないのかなぁ。」
壮也「本当に厳しくなったらだけど、もともと建築は好きだし、やるんだったら知っている人のところで働いた方が楽だなとは思う(笑) でも、とりあえずは陶器でできるところまではがんばってやって、だけどね。」
今回のことがあって、外からのお金じゃなくて、地元でお金を回している人が強いなぁって思いましたね。
千帆「できれば、そうしていきたいですよね。野菜とかも地産地消で。」
壮也「ずっと言ってるんですけど、陶器市とかは、なしでいくことを目指しているんですよね。注文だけとかね。ピンチはチャンスと言ったりしますが、生き方を見直すチャンスかも知れませんね。サスティナブル、地産地消、お金で買えないものに価値を見出だす社会。」
(終)
ウェブショップ:陶工房ゆきふらしウェブショップ@太宰屋 by 太宰治疎開の家