【連載記事】虹の向こうに⑤
東日本大震災・津波遺児の支援をするあしなが育英会が、仙台・石巻・陸前高田に開設した「東北レインボーハウス」では、近くに住む遺児や保護者が気軽に立ち寄れる「開館日」や、プログラムなどを行う「ワンデイ」という比較的大きなイベントを、定期的に開いています。子どもたちがたくさん来てくれたらうれしいな―と、あしながの職員がみんなに連絡し、出欠をとります。
もうすぐ、あの日から丸4年の311。あしながでは、3カ所のレインボーハウスと釜石市でお茶の席を設け、職員とファシリテーターが待機します。このときは、開いていますよとお伝えするだけで、出欠はとりません。それでも毎年、ふらっとどなたかが訪れて、お茶を飲んでお話をしていきます。
遺児や保護者が来てくれても、来てくれなくても、私たちはそこにいます。あなたのことを想っていますよ、心はそばにいますよ、―と、静かに祈り続けるのです。
〜Fuhito (あしなが育英会ファシリテーター)